宇宙の子マサです。
中学生の頃、生きるのが辛くて、
人生に起きる苦しみの意味や、支えてくれる何かを探していた時、
学校の図書室で出会ったのが「はだしのゲン」でした。
はだしのゲンというと、
戦争や原爆の悲惨さを描いた漫画と認知されていると思いますが、
僕にとって、このはだしのゲンが学校生活を支えてくれる、
心の拠り所ような存在となったのは、
戦争という状況下でも、強く真っ直ぐ生きようとする、
主人公の中岡元の姿に、
自分の置かれている状況を重ね合わせることができたからでした。
現実に起こる戦争のようなものでなくても、
それぞれの人生の中で、
戦争のような破壊や悲しみの出来事が、心の中で起きます。
僕にとって、はだしのゲンは、
どんな辛い悲しみの中でも強く生きていこう、
という、人間としての心を育ててくれる漫画です。
今の自己啓発書は、
すぐに結果が出るような、
即効性のある方法やテクニックを伝えるものが多いですが、
戦前は、人格の形成についてや、人の生きる道を説いた道徳、
精神論など、心を育むものがほとんどだったそうです。
はだしのゲンの漫画の中では、
たくさんの人が死んでいきます。
弟や姉や妹、お父さんなど、
ストーリーを読み進め感情移入した頃に、
主人公の元(ゲン)の目の前で死んでいきます。
ポジティブな言葉や、前向きなことだけではなくて、
こうして死や悲しみを隠さずに伝えてくれること、
それと向き合い、乗り越えていく姿が、
現実世界の読み手に、
次の日には忘れてしまうものではなくて、
深くその後の人生に残り続けるような勇気や強さを与えてくれます。
主人公の元が、くじけそうなとき、
前を向けなくなりそうなとき、
思い出すお父さんの言葉があります。

画像:はだしのゲンより
「元おまえは麦になれ
きびしい冬に青い芽をだし
ふまれて ふまれて つよく 大地に根をはり
まっすぐにのびて 実をつける 麦になるんじゃ」
元のお父さんお言葉は、自分もくじけそうなとき、
麦のようになろうと、心に強さを与えてくれました。
画像:はだしのゲンより
元は青年になってからも、冬に「麦ふみ」をする人々の姿を見ては、
お父さんの言葉を思い出し、未来へと向かっていきます。
中学の時に、はだしのゲンと出会ってから、約10年後の2009年。
僕にとっては夢のような出来事でしたが、

なんと、はだしのゲンの作者の中沢啓治さんのアトリエにお邪魔させていただき、
ご挨拶させていただける機会をいただきました。
写真右から、てんつくマン、中沢啓治さん、僕。
僕の人生を支えてくれた、
はだしのゲンが生まれた部屋、机、ペン、、、
そこに今自分がいることの不可思議さと興奮、、、。
その時の、てんつくマンと中沢啓治さんの貴重な対談はこちらです。
後世に残る映像です。

ちなみにDVDとして発売されていた、
お2人の対談ジャケットの左の絵が、
中沢啓治さんが描いた「はだしのゲン」で、
右が僕が描いた「てんつくマン」の絵です。。
はだしのゲンとコラボレーションなんて、
今でも自分の人生に起きた出来事じゃないような気持ちです。。
お会いさせていただいた年から3年後の2012年、
中沢啓治さんは天国へ旅立たれてしまいましたが、
中沢さんとお会いさせていただけたことは、
僕にとって夢のような一生残る出来事でした。
てんつくマン、貴重な出会いの機会をありがとうございました!
原爆投下から75年の日に。
漫画「はだしのゲン」のリンクも貼っておきますね。
はだしのゲン、全巻セット。
はだしのゲン、第1巻〜。